こんにちは、Ryoです。
今思い返してみるとPCが普及し始めた頃はフロッピーディスク数枚にバックアップしておけば事足りるレベルなので、逆に言えばデータを喪失してもダメージは少なかった気がします。
ですが、最近では記憶媒体容量がギガ(GB)やテラ(TB)の時代ですから、データ喪失は甚大な損害となりますので「バックアップ」も欠かせないものの一つになっていますね。
今回はそんなバックアップのソフトの中から個人的にお気に入りのEaseUS「Todo Backup Home11.5 」について書いてみたいと思います。
1.EaseUSについて
EaseUSは「イーザス」と読み、2004年に設立されてバックアップ/リカバリーソフト開発をメインとする企業です。バックアップやリカバリーなどでネット検索すると高い頻度で表示されますから、ご存知の方も多いと思います。会社は中国四川省に本社を置く有限会社です。
本件とは少し逸れますが、私は以前に仕事でデータ復旧で緊急を要する依頼があり、その時に「EaseUS Data Recovery Wizard Professional 」を公式HPから購入して急場を凌いだことがあるのですが、PCでは認識してくれないUSBメモリを検出し、必要なデータもほぼ全て救出できたことがあります。
また、その緊急時に公式HPから購入手続きをしたのですが「通常は納品に2営業日」となっているところをサポート経由で事情を説明し無理を承知で早々の入金確認処理とライセンス発行をお願いしたところ、快く対応いただけたおかげで助かった過去もあります。
では、次にTodo Backup Home11.5 についてです。
2.Todo Backup Home11.5 とは
※2020.3月追記
購入ライセンスによってはマイナーバージョンアップ(11.x⇒11.y)は無償ですが、メジャーバージョンアップは有償(11.x⇒12.x)になる仕組みです。現在はTodo Backup HomeがVer.12.xとなりましたので、Ver11.5など旧Ver.を使用していると起動時に「最新版に・・・」と表示されますが、促されるままにバージョンアップするとVer.12となりVer.11.5 で使用していたライセンスは「無効」となりますので注意が必要です。また、バージョンアップしてしまうと元に戻せないようです。
言うまでもないのですが、ソフトタイトル通り「バックアップ用ソフト」です。このTodo Backupにはエディションとして「Home」と「Workstation」があり、主な機能としては次の通りです。
機能 | Home | Workstation |
バックアップと復元・保存のスピード | 速い | 速い |
コマンドによるバックアップ | × | 〇 |
P2V変換、データのコピー/復元 | × | 〇 |
EaseUS Backup Centerによる集中管理 | × | 〇 |
テープのバックアップ | × | 〇 |
バックアップスケジュール機能 | 〇 | 〇 |
Outlookメールバックアップ/復元 | 〇 | 〇 |
システムバックアップ/復元 | 〇 | 〇 |
パーティションバックアップ/復元 | 〇 | 〇 |
ファイルバックアップ/復元 | 〇 | 〇 |
完全/増分/差分バックアップ | 〇 | 〇 |
ディスク/パーティションクローン | 〇 | 〇 |
その他にも「MBR、GPTディスク、ハードウェアRAID、UEFIブート、WinPEブータブルディスクへの対応」や「仮想環境、VMwareへのシステム移行」などの機能もありますが、今回は「日々PCを使用しつつ、並行して万事に備えたバックアップを行う」ことに焦点を絞って書いていきます。
これから紹介する製品は「イーフロンティアEaseUS Todo バックアップ Home (最新) |ダウンロード版」になります。
3.バックアップ
◆全般
一口にバックアップといっても何をバックアップして、その後どう管理していくのかによって違いがありますので、その辺りを簡単に説明します。
EaseUSのTodo Backup Home11.5 には「システムバックアップ」「ディスク/パーティションバックアップ」「ファイルバックアップ」「メールバックアップ」「スマートバックアップ」があります。
機能 | 説明 |
システムバックアップ | windows OSのバックアップ目的で主にCドライブ |
ディスク/パーティションバックアップ | 対象のHDD全体のバックアップ(例:1台のHDDに2~3のパーティション)、パーティション指定 |
ファイルバックアップ | ファイルやフォルダなどのデータ |
メールバックアップ | メールデータ(Outlookのみ) |
スマートバックアップ | ファイルやフォルダをピンポイント指定することで最小限を迅速にバックアップ |
一見わかりにくいのは「システム」「ディスク/パーティション」バックアップの違いですが、これは「システム⇒windows OS」、「ディスク/パーティション⇒HDD全体」と考えれば良いと思います。
次にバックアップには「完全バックアップ」「増分バックアップ」「差分バックアップ」があり、それぞれ次の違いがあります。
機能 | 説明 | 作成時間 | 復元時間 |
完全バックアップ | 指定した対象の全データ | 最大 | 最小 |
増分バックアップ | 当日変更されたデータのみ | 最小 | 最大 |
差分バックアップ | 完全バックアップ後に変更された全てのデータ | 中間 | 中間 |
初回は当然ながら「完全バックアップ」で指定対象の全データをバックアップする必要がありますが、以後は都度「完全」にするか、当日変更データのみの「増分」、または完全バックアップ時点から変化の有った全てのデータを対象とする「差分」を選んで目的に合わせた管理をしていくことができます。
◆システムバックアップ
先ず本製品をインストール後に起動すると次の画面になりますので、先ずは「システムバックアップ」をクリックして実行してみます。
次の画面では対象OSが選択されており、バックアップ先を指定します。私のPCはデスクトップ筐体内にバックアップ用HDDとして1基増設(Fドライブ)してありますが、外付けHDDなどを接続して指定しても問題ありません。
ちなみに、外付けであれば性能とコスパを考えると「Logitec WD Red搭載 外付けHDD USB3.1(Gen1) / USB3.0 2TB 日本製 省電力&静音モデル ハードディスク ホワイト LHD-ENA020U3WRH」などが個人的にはお薦めです。
「実行」をクリックするとバックアップが開始されます。その間は特にPC動作が重くなったりすることもなく、粛々と実行してくれます。
参考までに私のPC環境 OS:Win10 Pro、CPU:Intel Core i5-6500、メモリ:32GB(2133MHz)、HDD:転送速度6Gb/s SATA 7200rpmでの「システムバックアップ所要時間は約15分」「CPU使用率:約30%」「ディスク使用率:約50%」でした。
バックアップが完了するとメイン画面にタスクとして登録され、以下のように表示されます。ここで「スケジュールがありません」をクリックすると設定画面に移行できます。
この画面で頻度やバックアップ方法などを選択してスケジュール設定すれば、次回以降はソフトを起動しなくても自動的にバックアップを実行してくれます。
◆ファイルバックアップ
次にLocal Disk(D:)のファイルバックアップを実行してみます。バックアップ対象容量は約100GBです。
私の環境では約25分で完了しています。こちらも同様に処理中に動作が重くなるようなことは体感的にありませんでした。CPU使用率は約30%、ディスク使用率は約50%でシステムバックアップとほぼ同等なようです。
完了後にスケジュール設定はシステムバックアップと同じように設定すれば、以後自動的に実行させることも可能です。
◆メールバックアップ
メールはMicrosoft Outlookのみ対応してるようです。画像ではプラン名が空白ですが、実行時には対象となるアカウント(メールアドレス)が表示されています。
私のメールデータは約1GBで、バックアップを実行に要した時間は約5分でしたから気が付いたら終了していた感じです。
スケジュール設定は同様ですが、メールバックアップだけはスケジュール設定する際に「Windowsログインユーザーとログインパスワード」を求められるので入力する必要があります。
◆スマートバックアップ
この機能はファイルバックアップと似てますが、違いとしては「ターゲット指定したデータは監視」になるようで、バックアップ後に「保護中」と表示されます。
ターゲット指定したファイルを編集したり、フォルダ内データを移動させたりしましたが、ソフト側は即動作するわけでもないようなので、リアルタイム監視ではなく定期的な頻度で動作しているようです。
ある程度のタイムサイクルでチェックしているようですから、利用頻度が高くて大事なファイルなどをピンポイントで指定しておくと安心感が増すということだと思います。
◆ディスク/パーティションバックアップ
本バックアップは対象の「HDD全体」やパーティション指定でバックアップすることができる機能です。個人的な感覚では使用しているハードディスクの中身を丸ごとバックアップしておきたい時に使うイメージですね。
私はHDD1台のパーティションを分割して使用しているので、このようなケースも「ディスク/パーティションバックアップ」で実行する形です。
バックアップに要した時間は約30分、CPU使用率は約30%、ディスク使用率は約50%ですが、私の環境では特に重たさを感じることもなかったので、本ソフトは総じて動作が「軽い」印象です。
バックアップに関しては以上ですが、ユーザーインターフェースも良く出来ていますので、直感的に使えてわかりやすいですから通常操作なら困ることもなのではないかと思います。
4.復元(メールやファイル )
バックアップに比べて復元はあまり利用頻度も少ないものですが、参考までにメールバックアップとスマートバックアップの復元を実行してみました。
◆メールバックアップの復元
Todo Backup Home11.5 メイン画面に表示されているメールバックアップ内の「復元」を押します。
画像内では消してありますが、中央に復元対象となるアカウント(メールアドレス)が表示されていますので、確認後「実行」を押します。
実行後、復元が開始され約1~2分でメールデータの復元が完了していますので、操作はとても簡単です。
◆スマートバックアップの復元
こちらはLocalに保存してある1フォルダをテスト的にスマートバックアップさせていますので、その復元を行います。ホーム画面から復元を実行すると以下画像になりますが、「元の場所に復元」するので対象となるフォルダはLocalから別に移動しておきました。
実行して復元が完了すると、元の場所に対象のデータが復元されています。ついうっかり削除してしまったり、ファイルが壊れてしまったりした時でもスマートバックアップしていたら即時復旧できるということですね。
ちなみに元の場所に同ファイルやフォルダが存在すると、このようにアラートが出て実行できませんのでご注意を。
ファイルバックアップからの復元も対象を選択して復元する形なので、同様の方法になると思います。
≪参考≫
システムバックアップからの復元は今回実行しておりませんが、この復元が必要とされるときはWindowsが起動しなくなるようなケースが発生した際に、バックアップデータから復旧させることを目的に行うので、その場合は「ブータブルディスク(Win PEディスク)」を予め作成しておくことが必要です。
この起動ディスクはTodo Backup Home11.5 メイン画面の「ツール」から作成できますので、その点だけ触れておきます。
isoファイルを指定して作成した場合は、作成後に書込みソフトなどでDVD-Rに書込んでおけばOKです。直接USBメモリやDVDドライブを指定しても大丈夫だと思います。
今回は触れませんでしたが、システム自体の復元やクローン化は今後扱うことがあれば追記や別記事で改めて投稿しようと思います。
5.まとめ
今回EaseUSから評価、記事作成依頼があったこともあり、Todo Backup Home11.5 を扱ってみました。思うことは、直感的にわかりやすく、使いやすいという点ですね。日々増分や差分バックアップしておけばファイル破損や紛失なども安心出来ます。
ただ直感的にわかりやすいのは、ある程度の知識を有することが前提になってしまっているので、各設定項目や機能・例などを充実させたオンラインマニュアルがあると更に扱いやすいソフトになるのではないかと思います。
このソフトには機能がほぼ制限されているものの無料版もありますので、ご興味あればご検討くださいませ。
以上、【EaseUS】Todo Backup Home11.5 バックアップについてでした!今回の記事が何かの参考になれば幸いです。
Ryo